「なんとなく良さそうな感じで」とAIに頼んでもうまくいかなかった話 ― 完成イメージの大切さ

色見本を見比べて首をかしげるくりまろのイラスト AIとの付き合い方

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いま関わっている「シーバストレース」というアプリの公式サイトで、ロゴ制作にAI画像生成を使おうとしたときのことです。私はデザインを専業としているわけではないので、「そもそも自分がどんなイメージにしたいのか」が、頭の中にはっきり浮かんでこないことがありました。

色見本を見比べて首をかしげるくりまろのイラスト

何につまずいたか

AIに向かって「なんとなくいい感じのロゴを作って」と頼んでみても、返ってくるのは「なんか違う」と感じるものばかり。何度指示を出し直しても、しっくりくる結果にたどり着けません。最初は「AIの性能が足りないのかな」とも思いましたが、よくよく考えてみると、そもそも自分の中に「こうしたい」という完成形のイメージが具体的に存在していなかったのです。指示があいまいなままAIに頼っても、返ってくる答えもあいまいになる。これが今回のつまずきでした。

普段、文章の下書きや資料の整理などでAIを使うときは、それなりに「こういう形にしたい」という目的がはっきりしていることが多く、AIとのやり取りにあまり困ったことがありませんでした。それだけに、ロゴ制作という「センスやイメージが問われる作業」で急にうまくいかなくなったことに、最初は戸惑いました。デザインを専業にしている人であれば、頭の中にある引き出しからすぐにイメージを取り出せるのかもしれませんが、私にはその引き出し自体がまだ十分に育っていなかったのだと思います。

どう解決したか

ひらめきに対して手を挙げ喜ぶくりまろのイラスト

この経験から気づいたのは、「完成形が明確にイメージできている場合は、AIに指示を出しやすく、AIをフル活用して実現しやすい」ということです。逆に「何をどうしたらいいか分からない」状態のままだと、指示自体が曖昧になり、結果も「なんか違う」ものになりがちだと分かりました。

これは画像生成に限った話ではなく、AI活用全般に言えることだと思います。「なんとなく良さそうなもの」という曖昧な指示では、良い結果は出てきません。具体的なイメージやお手本を自分の中で先に用意して、それを言葉にして伝えて初めて、AIはそれを理解して形にしてくれる。ロゴ制作の場面で何度も試行錯誤する中で、私はこのことを実感として学びました。今では、AIに頼む前に「自分は何が欲しいのか」を一度立ち止まって整理してから指示を出すようにしています。

具体的には、色の系統や雰囲気、参考にしたいものがあればそれを言葉にしてみる、といった作業を先に自分の中でやってから、AIに向き合うようにしています。この「先に自分の頭を整理する」というひと手間を挟むだけで、AIとのやり取りの精度がまったく変わってくることを、今回の試行錯誤で身をもって学びました。

そこから学んだこと

この件をきっかけに感じたのは、「AIは魔法の杖ではなく、自分のイメージを拡張する道具」だということです。自分自身に「実現したいもの」への強いイメージやこだわりがあれば、AIを使うことでその表現は何倍にも広がっていく可能性があります。逆に、何のアイデアもない状態でAIを使っても、平凡な結果にしかならない、というのが今回の実感です。

この話は、私だけの感覚ではないのかもしれません。AIの登場によってデザインの仕事が失われるのではという危機感の声もよく耳にしますし、絵を描いている私の娘も、同じような不安を口にすることがあります。ただ、今回の自分の経験を振り返ると、AIは「こうしたい」という人の気持ちをお手伝いし、拡張してくれる存在であって、何もかもを丸ごと肩代わりするものではないのではないか、と感じています。

余談ですが、アメリカでは「AI導入により解雇」というニュースがよく流れ、若い世代が卒業式などでAIにブーイングする映像を見かけることもあります。それだけAIの影響を身近な不安として感じている人が多いのだと思います。AIが人のイメージを拡張する道具だとすれば、それを理由に安易に解雇に踏み切ってしまう経営判断があるとすれば、そこにはAIを過大評価しすぎている面もあるのかもしれません。もちろんこれは私個人の感じ方であり、業界や立場によって受け止め方はさまざまだと思います。

私自身も、これまで積み重ねてきたことをAIに「手伝ってもらっている」という感覚を大切にしています。絵を描く娘、プログラムをやる息子も同じで、ベースに「自分がやろうとしていること」があってこそ、AIがその可能性を広げてくれるのだと思います。以前の記事「AI時代、『分かったつもり』の危うさ〜自分の理解の境界を知ることの大切さ」でも触れましたが、AIとの付き合い方は結局、自分が何を分かっていて、何を委ねているのかを意識するところから始まるのだと、今回のロゴ制作を通じて改めて感じました。

くりまろ 作業中

「完成イメージが自分の中にない」というつまずきは、デザインに限った話ではありません。色や構図、レイアウトの基本的な「考え方の型」を先に知っておくと、AIに何を伝えればいいかがぐっと見えやすくなります。もし断片的な独学で伸び悩んでいるなら、デザインの基礎を体系立てて学べる講座で土台を作ってから、AIと組んでみるのもひとつの方法です。

※本記事はUdemyのプロモーションを含みます。

👉 AIとの付き合い方をもっと知りたい方は、くりまろ案内ボックス(ツール・環境カテゴリーのハブ記事)もあわせてご覧ください。

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